2013年3月1日金曜日

池田のうどん

「うどん屋さん」が元気です! 「ラーメンの町池田」としてインスタントラーメン発明記念館への来場者が連日あとを絶ちませんが、池田の「うどん」もラーメンに負けてはいません。
何と言っても池田には元治元年創業の老舗「吾妻うどん」が健在です。市内外から150年間受継がれて来た匠の味に魅せられて常連・一見の客が絶えません。映画のロケにも再三使われて、芸能人も度々訪れる老舗として知られています。5代目考案の「ささめうどん」は、ほそ麺にしょうが・ごまの香りを加えたあんかけでお客の人気メニューです。
うどんの生産量日本一は香川県の「讃岐うどん」ですが池田では自家製の手打ちうどんを提供している店が5店、製造販売工場が2社もあります。うどん屋さんは「吾妻うどん」「麺惣 更科」「麺料理 ひら川」「麺処 丸正」「くすのき庵」工場は「㈱吉野商店」と「丸正製麺所」です。池田は讃岐うどんに劣らぬ「大阪うどん」としての地位を保っているのをご存知でしたか?
うどん起源には諸説がありますが、大和朝時代にはすでに中国から輸入され、平安・鎌倉時代に発達し、当時は「すいとん(団子)」や「ワンタン」のようなもので、現在のような細長い「ひも」(索)のようになったのは江戸時代のことです。そして庶民に普及して落語の「刻(とき)うどん」に出て来る「夜啼きうどん」振り売り(行商)が流行りました。明確な区別はありませんが、一般的に関東は「そば」文化・関西は「うどん」文化と言われ、大阪は「うどん屋」が多いようです。大阪市西区新町にある新町南公園に「麺類食堂発祥の地」の石碑があって、通称「砂場」と呼ばれてここに天正12年(1583)大坂築城の人夫が多く集まり「いずみや・津の国屋」などの麺類店が開業したと記されています。
うどんの種類は大別して名古屋の「きしめん」(ひもかわ)京都北野の「たわらうどん」四国の「讃岐うどん」と徳島半田の「オカベの麺」。そして大阪は「大阪うどん」「美々卯のうどんすき」など全国各地に独特のうどんがあります。大阪うどんは出汁(だし・つゆ)に重きをおいてうどん玉は出汁を吸いやすいようにしなやかで柔らかい麺が好まれるようになりました。つゆは東海道本線関ケ原あたりから西は薄口醤油を使い色は薄く澄んでいます。ちなみに、「うどん」は中国読みで「温飩」(ウントン)が「饂飩」(ウドン)になったそうです。大阪ではご飯のおかずとして出汁を全部飲み干すのが「通」と言われます。

㈱ 吉野商店(呉服町10-18 TEL 072-751-6992) 大正7年創業、麺一筋の老舗「吉野商店」は昭和10年に新町から旧三和銀行のあった場所、栄町1丁目734に移転「生麺業㈱吉野商店」を設立され、初代社長に主原宇市氏が就任されました。そして現在3代目主原稔也氏が平成7年社長に就任され、生・茹麺の製造販売をメインに、めんつゆ・スープ類の製造販売、「大阪うどん」など多くの加工麺の事業を展開されて販売エリアは大坂・兵庫・奈良・滋賀の広範囲に及び阪急関係各社・全日空・関空・学校給食センター・浪速総本店・成城石井等々一流企業50数社との取引があります。私たちは知らずに何処かで吉野うどんを口にしている訳ですね。吉野うどんは、うどん好きの私にはすぐに判ります。池田の誇りとする企業を覚えておいて下さい。

丸正製麺所(城南町3-7-8 TEL 072-753-0580) 戦前から続く製麺所です。厳しい経済環境の中にあって、伝統の製法を守ってがんばっておられます。

麺料理 ひら川(栄町10-7 TEL オーナー平川好子氏(現会長)は寿司店「正弁丹吾」を23歳で継いで以来、持ち前の明るさと人情ある「肝ッ玉かぁさん」で人材の育成を重点に、まねをしない独特のアイデアによる経営で昭和45年には駅前のビルを建設され「頓珍館」「シーホース」「ひら川」など4店を営業されています。著書「なめたらあかんで!」は経営書としてベストセラー。 うどんは息子さん(現社長)が料理の修業中讃岐うどん風の手打ち技術を学ばれて会得された腰のある本格的なうどんです。蕎麦もありますが、私は「釜揚げうどん」が気に入っています。

麺惣 更科(栄本町2-9 TEL072-751-1854) 「更科」と言えば「蕎麦屋」を連想しますが、「うどん」がメインのお店です。オーナー沖 典英氏はあえて駅前でなくてもと言う自信をもって昭和58年(1983)に栄本町で開業されました。うどん工場で自家製の機械打ちうどんで提供されるメニューはすべて鉄なべで調理された熱いうどんが鉄なべのまま出されるのが良い。現在は娘さんが引き継がれて一時駅前のブランマルシェに出店されたこともありましたが、栄本町の店は盛況でテイクアウトうどんセットも好評で固定客だけでも安定した経営で商店街の活性に貢献されています。

「くすのき庵」手打ちうどんの店(渋谷 1丁目) 障害福祉サービス事業所「池田市立くすのき学園」(五月丘1-9-12)の東約500m「穴織宮分社」(あやはのみや)の上、東側にある、自立生活のための訓練施設「自立の家」の1階にあります。くすのき学園では3年前ボランティア団体「宝塚専心会」の技術指導によって「手打ちうどん」の製造を始めました。そして、うどん玉が安定供給できるようになり、うどん店を開いて接客サービスを行いながら職業訓練をすることになり「くすのき庵」が開店しました。この店はうどん玉だけでなく出汁・具(学園菜園の野菜)すべて手作りで、どんぶり鉢・湯のみにいたるまで学園の方々が作られた食器と聞いて感心しました。メニューも豊富で味もなかなかのものです。池田にはこんなユニークなうどん屋さんもあります。

丸 福(食堂)(新町8-6  TEL 751-3759) 店主 福原 博さんは9年前ご逝去になり、今は奥さんが元気に営業を続けられています。「満る福」の屋号で大正12年創業のこのお店は87年間場所も今のままで、地元のなじみに親しまれて愛されてきました。ご主人ご健在の頃には「がんがら火うどん」と言う唐辛子のカッ!と効いたメニューがあったことを思い出します。後継者がおられないとのことで残念です。(ご主人が亡くなるまで、手打ち自家製うどんでした。)

麺処 丸正(食事処)(槻木町 7-1 TEL072-753-0580) 丸正製麺所の直営店として「うどん」をメインにお食事処として地元の常連客で食事時には賑っています。「もちもち」したやや太めのうどんが特徴です。 老舗では駅前「住友三井銀行」の前に「一福屋」さんがありましたが、この店も廃業されて寂しいかぎりです。

製麺所では菅原町に由良製麺所もありました。 製麺も冷凍技術の進歩で日持ちし品質が保たれるようになり、大量生産・一括購入で価格競争が厳しく「業務センター」などで廉売される商品の一つとなって製麺業も経営が難しくなって来ています。私も大のうどん好きの一人ですが、池田の「うどん」を食べるようにお願いしたいものです。
ところで、うどん専用箸があるのをご存知ですか?先の断面が四角で溝が入っています。うどんが滑らずに食べ易いのですよ。
滑ると言えば大阪の天満宮の境内の「星合の池」にある「星合茶屋」には「すべらんうどん」と言う滑り止めのうどんがあって「稲荷すし」と共に受験生に大人気です。平べったいうどんの真ん中に切り込みがしてあって、そこに箸がすっと入って持ち上げるとすべらんのです。考案した方は目が不自由で障害者のためになんとか食べ易くと工夫されたうどんでしたが、天神さんのご加護で受験合格のうどんに発展しました。

*「吾妻うどん」についての記事は多くありますので、簡単に省略させて頂きました。拙著「池田歴史探訪」にも特集として詳しく掲載させて頂いています。
 

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