2016年1月23日土曜日

庚申さん


庚申さん(こうしんさん)

池田の伝統の火祭り「がんがら火」が今年1月に(H22)大阪府の無形民俗文化財に指定されました。その一つ「建石町大文字献灯」の行事の拠点になるのが「星の宮」です。ここは織姫あやはとりを祀る「伊居太神社」のお旅所で昔、織殿があって、あやはとりが機織をしているとき日が暮れて手元が暗くなって困っていると多くの星が降ってきて明るくなって仕事がはかどったと言う伝説があり、星の御門と呼ばれるようになりました。老朽化していた社殿を建石町の皆さんの寄進によって立派に修復され平成21822日落慶式が行われました。その過程で合祀されていた庚申堂から「青面金剛童子」(しょうめんこんごうどうじ)木像が発見されました。庚申塚は街道筋でよく見かけますが仏像は非常に珍しいもので秘仏として200年余り開扉されず保存されていました。庚申信仰は現在殆ど忘れられていますのでこの機会にお話しして見ようとおもいます。最近は善悪の自制心を失い、自己中心や欺瞞に満ちた人が多くなったように感じます。江戸時代の庶民が自らを戒めた庚申さん、そのひとつ「京都八坂庚申堂」を訪ねて見ました。有名な八坂の塔のすぐ下にあります。本尊は「青面金剛」と「三猿」ですが、まず圧倒されるのは境内・堂内に手足を括られた無数の「くくり猿」が溢れんばかりに奉納されていることです。「くくり猿」は揺れ動く人間の心を固定した姿を表しています。庚申さんは道教の教えで、平安時代日本に入って江戸時代盛んになった庶民信仰の一つで「えと」(十干・十二支)と「五行」(木火土金水)とを組み合わせた60日サイクルで循環する暦の「かのえさる」の日のことです。人間の頭・胸・下半身にそれぞれ三尸(さんし)と言う虫がいて、頭の虫は詐欺・横領・偽装などの知能犯。胸の虫は心根・本性の善悪。下半身の虫は浮気・不倫を監視していると言われます。庚申の夜、虫は人が眠った隙にそっと抜け出して天帝に行状を告げる。天帝はその人間の評価を減点してゆき持点が0になったとき死を宣告するとされる。そこで人間は三匹の虫が抜け出さぬように眠らずに夜明かしをする。この習俗を「庚申待ち」と呼んで自らを戒めたのです。庚申さんを知らない人が多くなった今、この話を家内にしたら、「下半身の虫の減点に気~つけなあかんな~」と釘を刺されてしまいました。

                  H22.8.(2010)


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