2016年1月29日金曜日

「がんがら火祭り」と八丁鉦


「がんがら火」と八丁鉦

「がんがら火祭り」の大松明を先導する八丁鉦は八丁四方にまで聞こえることでそう呼ばれていますが、どうも池田だけの呼び方らしい。仏具の業界では鉦吾(しょうご)と呼ばれています。「鉦鼓」(しょうこ)は中国(シナ)朝鮮から伝わったもので、本来は軍中の合図・軍楽に使用されていました。仏教の伝来と共に念仏を唱えるときの鳴り物として仏具の一つとなり、やがて祭礼の囃子にリズムをとる楽器として広く使われるようになって「だんじり囃子」「落語出囃子」「ちんどんや囃子」など大衆芸に主に使われるようになりました。有名な京都の祇園祭の囃子のリズムは「行人鉦吾」(ぎょうにんしょうご)と呼ぶ吊り鉦を笛に合わせ揃って叩く見事な伝統芸として祭りをことのほか盛り上げて聞く者の心を浮き立たせます。行人鉦吾は仏具として使用される「ふせ鉦」(足が付いていて伏せて叩く鉦)と区別されて、吊下げて内側を叩く鉦のことを言いますが、鉦そのものは同じで吊る・置くの違いで内叩き・外叩きに分かれます。池田の八丁鉦は竹竿に吊るして叩きますが、外叩きで地蔵菩薩を祀る祭礼として意に叶っていますが、独特な鳴らし方と言えます。

鉦吾の大きさは3.5寸から8寸まで(市販品)各種があり、金属材料も真鍮・砲金(銅と錫の合金、ガンメタル)のものがあります。真鍮のものは中目(中位の目方の意)砲金は重目と呼び音も違ってきます。

鉦を叩く槌を「撞木」(しゅもく)と呼びます。鉦の中央は比較的薄いので割れ易く木槌で叩く必要があります。囃子の場合は鹿の角で作った撞木で音を高く鳴らすこともあります。何れにしても叩く加減が大切で強過ぎると破損する恐れがあります。城山町では鉦の大きさに槌の大きさを加減して割れを防いでいます。

池田の八丁鉦は共に鳴らされる半鐘とは違うリズムで、囃子のような軽快なリズムではなく、やや哀愁のある響きで火の神に捧げる祈りが込められているように聞こえます。鉦や半鐘それぞれが思い思いで叩くので「がんがら・がんがら」と聞え「がんがら火祭り」の呼び名のいわれとなっています。

城山町では八丁鉦を「㈱作島」(京都市下京区御幸町通高辻下ル)で購入しています。故高木 正さんとの経緯で80年の歴史を持つ仏具卸の老舗です。現在の社屋は3年前に新築されコンクリート打ちっぱなしの京都らしいデザインのビルになっています。数々の表彰状が掲示されていて著名な仏具卸であることが解かります。最近は金属の高騰で特に銅を原材料とする鉦吾は重目5寸で36千円もします。鋳造されて磨かれた鉦吾は金メッキされたように輝き、重量感とその音色は美術品としての品格があります。


八丁鉦 6(4.5) 7.5寸(8㎏)12寸(20㎏)


半 鐘 6寸(5㎏) 7寸(10㎏)鉄または青銅のものがあります。

                           H22.10.(2010)

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